筆者について
現役学芸員のりん(@rinhwan_blog)です
- 正規雇用の美術館学芸員
- 公立美術館・私立美術館双方を経験
- 美術史で修士号を取得
- 一般求人で応募、筆記と面接試験を経験
本サイトでは、学芸員を目指していた頃の自分が知りたかったこと等を紹介しています
本記事は、私個人の経験(参考)に基づき、
① 実務経験のない学生でも応募できて
② 学芸員就職の役に立つ
と感じたアルバイト をまとめたものです。
ご自身で学芸員関連のアルバイトをお探しになる際のヒントになれば幸いです
この記事はこんな方向け
- 学芸員就活を有利に進めたい方
- 美術を勉強しながら日々お仕事したい方
- 美術館勤務に興味がある方
学芸員のアルバイト雇用について
「学芸員」という職種名でのアルバイトは、応募の時点で条件が限られていることが多いです。
たとえば、「博物館や美術館での実務経験3年以上」や「修士課程以上」などです。
実務経験・研究実績がある、経歴にはある程度自信がある!という方は以下の記事を読んでみてください。
非正規雇用を含む「学芸員」の求人状況、また要チェックの掲示板についても紹介しています
学芸員就職に役立つアルバイト
さて、ここからは
- 大学・大学院に在学中の方
- ゆくゆくは学芸員になりたい方
という方向けに「学芸員就職」を見据えたアルバイトを集めました。
学芸員という肩書きの求人へは、現役の学芸員も多く応募しています。
国立・県立美術館などの一次試験に行くと、見慣れた顔がポツポツ...なんてことも
なので...
現段階では経歴・実務経験に自信がないという方は、たとえば次のようなアルバイトから地道に経験を積んでいくのも手と言えるでしょう。
- 美術館の展覧会スタッフアルバイト
- ビエンナーレやトリエンナーレなどの運営スタッフ
- ギャラリー・画廊などでのアルバイト
- 美術系雑誌でのアルバイト
- 学芸員補のアルバイト
以下で詳しく紹介していきます。
美術館の展覧会看視員・受付アルバイト
「美術館スタッフ」「展覧会スタッフ」「美術館受付業務」などの呼称で求人が出ています
\美術館・博物館バイト/
以下のどちらかに当てはまることが多いです。
✔︎ チケット売り場での受付業務
✔︎ 展覧会会場内での監視員
この2つは通常同じ求人で出されていることが多く、受付と監視員をローテーションでこなすこと場合もあります。
実際に会場にいる時間は、学芸員よりも多い!
お客さんに1番近く、目に触れやすい現場のお仕事です。
美術への好奇心、おもてなしの心が必要です。
美術の事前知識がそれほどなくても、学ぶ機会があるので大丈夫!
展覧会開催前には、担当学芸員から簡単な説明を受ける場合も。大まかな展覧会概要に加え、お手触れに特別注意が必要な場所、お客さんの流れが滞りやすい場所、想定問答などです。博物館・美術館によっては、展覧会スタッフ用の説明書などをもらえます。
開催前に一通り作品を見る時間もありますから、美術を学びつつお仕事したいという方にはぴったりのアルバイトです。
\美術館・博物館バイト/
ギャラリー・画廊などでのアルバイト
東京であれば銀座エリアや麻布エリアなど、ある程度エリアが集中しています。
ギャラリーの仕事ってどんなことをするの?
作品が売買されるシリアスな場所でもあるので、そんな仕事か想像しづらいですよね
業務内容には、オープニングレセプションの準備やお客様の対応、海外アーティストの接待や展示替えのお手伝いなど。
画廊の場合、美術館スタッフとは異なり経理事務担当の求人であることも多いので、募集要項でしっかり確認しておきましょう。
雑務が多いですが、アルバイトの場合には通訳ができる人や経理をこなせる人を求めている場合が多いです。
高い語学力(特に英語・中国語)、コミュニケーション能力、経理系の管理能力があればアピールポイントになるでしょう。
博物館学芸員資格も活きる仕事です
作品を購入しようとしているお客さんを対応することもあるので、他のアルバイトではできない作品売買の現場を経験することができますよ。
▼ 画廊・ギャラリーバイトの検索結果
気になる画廊の個別ホームページのお知らせも定期的に確認しましょう!
芸術祭などの運営スタッフアルバイト
結構見逃しがちなアート系バイトが「芸術祭の運営スタッフ」です
2年ごとに開催されるビエンナーレや3年ごとに開催されるトリエンナーレなど、一時的な大規模イベントの際に募集されるスタッフのことを指します。
瀬戸内国際芸術祭や横浜トリエンナーレ、大地の芸術祭などが歴史も長く有名ですね。
海外だとヴェネツィアトリエンナーレ等は聞いたことがあるのではないでしょうか?
これらの芸術祭はヨーロッパ系の海外客が多いため、語学力の制限を設けた求人も多い傾向にあります。
語学力に自信がある方にはぴったりのアルバイトです。
また、「皆で作品を完成させる」といった参加型のアート作品も多いため、スタッフもまた実際に体を動かし作品制作に参加する場合も多いです。
行動力、コミュニケーション能力、フットワークの軽さが必要なお仕事と言えます。
美術系雑誌の編集アルバイト
期日までに粛々と雑務を捌ける人や、文章力に自信がある人におすすめなのが、美術系雑誌編集部でのアルバイト。
インタビュー記事の文字起こしや図書館へのお使い、コピー取りなどの補助雑務に加えて、ライターが書いた文章の校正や簡単な記事作成などを頼まれることもあるでしょう。
アーティストのインタビューに同行できたり、さまざまなアートニュースに日常的に触れることができるのでとても勉強になります。
文章を磨きたい方や学芸員以外の美術関連就職口を考えている方にぴったりです
学芸員補のアルバイトについて
学芸業務の補助をする「学芸員補」のお仕事については、以下の記事で詳しく解説しています。
学芸員を目指している方にとっては一番理想的なアルバイトですので、運良く求人を見つけた際には是非チャレンジしてみてください。
美術関連アルバイトの経験談
私が学生時代にしていた美術関連のアルバイトやインターンシップ、ボランティアなどをまとめました
美術館学芸員を目指していた学生の一例としてお納めください。
美術館・学芸員関連のアルバイトまとめ
本記事では、私自身の経験を思い出しながら、美術に関連するアルバイトを紹介しました。
美術館や画廊・アートギャラリー、芸術祭や美術関連の編集社など、その場所は様々です。
経済的に問題ないようであれば、ボランティアやインターンで経験を積むのも◎
無名の美術館でアルバイトするよりも、有名美術館のボランティアや無償インターンの方が学芸員就職の際のウケが良いのも事実です。
ご自身の無理のない範囲である程度の掛け持ちしてみても良いですね。
また以下の記事では、美術館に関わるお仕事を解説しています。
美術館との関わり方も紹介しているので、興味がある方は是非読んでみてください!