筆者について
現役の美術館学芸員です
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- 正規雇用の美術館学芸員
- 公立美術館・私立美術館双方を経験
- 西洋美術で修士号を取得
- 国際シンポジウム、学会で発表経験あり
本サイトでは、学芸員を目指していた頃の自分が知りたかったこと等を紹介しています
本記事では、美術鑑賞をもっと楽しむためのアプリや、研究資料が閲覧できるデータベース、美術の旬な話題を取り上げているニュースサイトなどをまとめてみました。
基本的にすべて無料で利用できます。
学生時代から現役学芸員になった今までずっとお世話になっているサイトばかりなので、ご自身の学び、楽しみにお役立てください。
美術鑑賞・美術館巡りをもっと楽しむアプリ・サイト
美術館でかざすだけで作品解説が読めるSmartify(スマーティファイ)

ポイント
- ロンドン・ナショナル・ギャラリー、メトロポリタン美術館など世界2,000以上の美術館が対応
- 作品をスマホでスキャンするだけで解説・音声ガイドが表示される
- 多くの解説が無料で利用できる
Smartifyは、美術館で作品にスマホをかざすとその場で解説が読める鑑賞アプリ。
提携している美術館なら、館内の有料音声ガイドを借りなくてもアプリ一つで作品情報にアクセスできます。
出張先で時間がなくて音声ガイド借りそびれた時、これに何度助けられたか…笑
自宅でも気になる作品を「お気に入り」に保存してコレクションを作れるので、訪問前の予習・訪問後の復習にも便利です。
子どもと一緒に鑑賞するときに「この絵についてどう書いてある?」と一緒に解説を読むのも楽しい使い方。
美術館巡りを記録できる御朱印帳のようなサービスmuseumpick(ミュージアムピック)
ポイント
- 全国約5,000箇所の美術館・博物館でGPSチェックインができる
- 訪問するたびに施設ごとのオリジナルスタンプがもらえる
- 過去に訪れた美術館の記録も後から登録できる
museumpickは、訪れた美術館や博物館を記録して、施設ごとのスタンプを集められるサービス。
GPSで現地チェックインするとその場でスタンプがもらえて、まるで御朱印帳のように訪問の足跡が残せます。
「あの作品、どこで見たんだっけ…?」が無くなる感動
水族館や動物園、植物園など、いわゆる「博物館法上の博物館」全般が対象なので、子連れのおでかけ記録としても優秀です。
過去に訪れた美術館の記録も遡って登録できるので(その分のスタンプは付かないけれど)、これまでの美術館巡りを振り返るのも楽しい。
学芸員や博物館関係者がゲスト出演するポッドキャスト「museumpickFM」もあって、館の裏側を知れるのも嬉しいポイントです。
世界中の美術館を巡り放題Google Arts &Culture
ポイント
- 世界中の名だたる美術館の所蔵品を高画質で鑑賞できる
- 関連作品・芸術運動を自動でレコメンドしてくれる
- 館内をストリートビューのように歩いて回れる
- 開催中の展覧会のバーチャル展示も体験可能
Google Arts&Cultureは、アート好きにはたまらないオンライン美術館。
ニューヨークのMoMAやMET、フリックコレクション、ロンドンのテートやナショナルギャラリー、イタリアのウフィツィ美術館など、Googleが提携している世界中の美術館の所蔵品を高画質で楽しめます。
一つの作品を見ると、関連した芸術運動の作品や、同じ技法で描かれた作品をピックアップしてくれるのが便利。
新しい研究の糸口が見つかったり、好きな作家から知らない作家へ広がっていったり、回遊性が抜群です
ストリートビューのようにWeb上で館内を歩いて見学したり、作品を拡大して細部まで鑑賞することもできます。音声ガイドや解説もついて、至れり尽くせり。
子どもと「今日はパリの美術館に行こうか」みたいな遊び方もできるので、知育の引き出しとしても優秀です。
\展示室を見てみる(無料)/
ストリートビュー機能を使って子どもとオンラインで美術館を歩くだけでも、立派な美術体験になります。美術館の楽しみ方|初心者でもわかる作品の見方と鑑賞のコツでも書いていますが、最初の一歩は「ちゃんと見ること」から始まるんですよね。
日本語で読める世界の美術館データベースメゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド

ポイント
- 世界各国の美術館の概要・主要コレクション・企画展情報を網羅
- すべて日本語で読めるので、海外美術館の予習にぴったり
- DNP(大日本印刷)のメセナ活動として運営されている信頼性
MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)内の「世界の美術館データベース」。
MMMは、DNPのメセナ活動の一環として開設されたMMF(メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス)の後身です。
世界各国の美術館の概要や主なコレクション、企画展情報などが日本語で記録されていて、海外旅行前の予習ツールとして優秀。
「ここの美術館って何を持ってるんだっけ?」を日本語でサッと調べたいときに
外国語に明るくない方でも、世界の美術館の基本情報にアクセスできるのが強みです。
美術研究・学習に役立つデータベース
貴重な一次資料・古い挿絵まで閲覧できる電子図書館BnF(フランス国立図書館)Gallica

ポイント
- 1,000万点以上の文献・挿絵・写本にアクセスできる
- 完全無料・会員登録不要で日本からも利用可能
- スマホ・iPad用アプリもあり外出先でも使える
BnF(フランス国立図書館)は1368年に創立された王室文庫から続く、フランスの国立図書館。
そんなBnFのGallica(ガリカ)は、美術書はもちろん貴重な挿絵や写本にもアクセスできる電子図書館です。
現在1,000万以上のドキュメントが閲覧可能で、一次資料を探す際に重宝します。
日本からでもアクセス可能で、西洋美術史の学徒には大変ありがたいデータベースです
無料、会員登録不要で、簡単にダウンロードできるのも嬉しいところ。
スマホやiPad用のアプリもリリースされていて、移動中に文献を見たいときにも使い勝手がいいです。
70年分の展覧会カタログが無料で読めるグッゲンハイム美術館アーカイヴ
ポイント
- 1936年から2006年までの展覧会カタログを公開
- 世界中どこからでも無料で閲覧可能
- PDFダウンロードに対応
グッゲンハイム美術館が、1936年から2006年までの展覧会カタログを大量に公開しています。
世界中どこからでもアクセス可能、ユーザーはすべて無料で閲覧できる親切さ。
PDFでダウンロードもできるので、自分で出力して読むこともできて便利です
特定の作家の回顧展カタログを探したいとき、過去の重要展のキュレーションを参照したいとき、まず覗いてみる価値があります。
150年以上前の展覧会評にまで遡れるThe New York Times ART&DESIGN
ポイント
- 1851年以降のニューヨークタイムズの記事を検索可能
- 当時の展覧会評が読めるので作品の同時代評価を知れる
- 大学図書館との提携で全文閲覧できる場合が多い
ニューヨークタイムズ紙にも、ART&DESIGNのカテゴリがあります。
最新ニュースだけでなく、検索機能で1851年以降の記事までさかのぼれるのがポイント。
研究対象の作家に関する当時の新聞記事を、当時の言葉で読めるのは貴重な体験です。
同時代の展覧会評を読めると、作品が「いつ・どう評価されたか」の文脈がぐっと掴めます。

例えばピカソの検索結果は21,745ヒット(2022年3月時点)。
基本的に要サブスクですが、大学がNYTimesと提携している場合は全て無料で閲覧可能です。
大学によっては様々な学術系サイトと連携しているので、ご自身の学校の状況を確かめてみてくださいね。
国内の美術図録・雑誌を一括検索美術図書館横断検索

ポイント
- 日本国内の美術関連書籍・図録・雑誌をまとめて検索
- 検索結果には図書館だけでなく大学・美術館も含まれる
- 図録の所蔵先を探すなら、まずここから
美術史系学徒にはお馴染みの「美術図書館横断検索」。
美術図書館連絡会(ALC: The Art Library Consortium)が運営する、日本国内の美術関連書籍の検索ツールです。
「あの展覧会の図録、どこに置いてあるんだろう…」を解決してくれる必須ツール
図録や雑誌も検索できるので、絶版になった図録を探したいときも諦める前にここで検索してみてください。
美術の最新ニュース・コラムが読めるサイト
世界の美術ニュースとコラムを楽しむBBC Culture - Art

ポイント
- 最新ニュースだけでなく、読み応えのあるコラム・特集が豊富
- 動画コンテンツと連動していて視覚的にも楽しめる
- 英語学習を兼ねた美術インプットにもおすすめ
最新ニュースもありますが、何よりためになるコラムがたくさんあって楽しいです。
BBC内で検索すれば動画も一緒に結果に出てくるので、自分の研究分野に関する情報集めとして積極的に使いたいサイト。
通勤時間や家事中に「ながら聞き」できるのも◎
英語のサイトなので、英語学習を兼ねて美術知識を仕入れたい方にもおすすめです。
国内の公募展・画廊までカバーArt Annual online
ポイント
- 国内の公募展・画廊の情報を網羅
- 大規模展では拾えないニッチな展覧会も見つかる
- 美術関係者によるコラム・エッセイも読める
国内の公募展や画廊の最新情報が簡単に検索できます。
美術館展覧会まとめサイトが多くある中で、こちらも見ておくと比較的規模が小さい所やニッチな部分までチェックできるのでおすすめ。
大型展だけ追っていると見落としがちな良い展示を拾える
美術関係者によるコラムやエッセイもあるので、定期的に読んでおくと良いと思います。
現代美術用語辞典が学習に役立つartscape

ポイント
- 注目展覧会のレビューを学芸員が執筆
- 全国の学芸員による地域アート情報「キュレイターズノート」が読める
- 現代美術用語辞典「Artwords」が無料で利用可能
注目展覧会のレビュー、学芸員が地域のアート情報を発信するキュレイターズノート、美術関連書籍のレビューなどをみることができます。
現代美術用語辞典・Artwords(アートワード)はよく利用されている方もいらっしゃるかもしれません。
歴史的展覧会や芸術運動、著名な批評、社会現象など、美術史を語る上でキーとなる用語をわかりやすく解説しています。
学芸員採用試験の論述対策にも使えるので、志望者の方は特にブックマーク推奨!
私自身、学芸員採用試験【過去問と対策】で書いた論述対策の下準備としてもよくお世話になりました。
一般の人のレビューも読める参加型ニュースサイトARTAgendA

ポイント
- 展覧会情報に加えて一般ユーザーのレビューが読める
- ブログ形式で個人の鑑賞記録がまとまっていて参考になる
- 自分の鑑賞記録ツールとしても使える
ARTAgendA(アートアジェンダ)も展覧会情報サイトですが、みんなの展覧会レビュー・評価をチェックできるのがポイント。
公式の宣伝文句だけだとわからない「実際行ってみてどうだったか」が拾えます。
一般の人もそれぞれがレビューを書いてブログ形式でまとめていたりするので、正直で身近なレビューを参考にしたい方には◎。
世界情勢と連動した最新美術ニュース美術手帖

ポイント
- 世界情勢と連動した最新アートニュースが早い
- 国内外のコンテンポラリーアーティスト情報が充実
- NFT・オークション情報など現代アート市場の動向も追える
2022年4月号から季刊となった『美術手帖』のウェブ版。
世界情勢と連動した最新ニュースがいち早く回ってきます。
世界の状況と照らし合わせてアートの動向を知りたい場合に便利。
学問としての美術史的な情報というより、国内外のコンテンポラリーアーティストやNFT、オークションレポートなどを知りたいときに重宝します。
「今のアートシーン」を追いかけたい人にとっては必須!
【まとめ】美術研究に役立つウェブサイト
以上、学生時代から現役学芸員になった今まで、私がお世話になっているサイトとアプリをまとめてみました。
定期的にチェックしていると「美術の今」がよくわかります。
学芸員採用試験でも、タイムリーな社会問題についての論述がよく出題されるので、志望者の方は常日頃アート関連のニュースのチェックは抜かりなきよう。
美術鑑賞は、美術館の中だけで完結するものじゃありません。アプリで記録を残したり、サイトで予習復習をしたり、楽しみ方の幅は思っているよりずっと広いです。
ご自身の興味に合わせて、お気に入りの一つを見つけてもらえたら嬉しいです。
気になる作家が見つかったら、次は本へ。学芸員が厳選した美術史・アート系のおすすめ本もどうぞ👇




