美術館学芸員のりん(@rinhwan_blog)です
※プロフィールはこちら
美術館って、想像以上にデート向き!
カップルで楽しめる要素が盛りだくさんなんです。
うまくチョイスすれば、観覧後は満足感を共有できること間違いなし。
本記事では美術館デートの楽しみ方、デート向きの美術館、そして美術館の基本的な流れを紹介しています。
とりあえず都内の美術館を載せております。今後加筆予定。
美術館デートがおすすめな理由
美術館でデートするメリットって何?
会話があってもなくても自然
美術館はじっくり静かに鑑賞する人がほとんどなので、無理に会話しなくてもそれが自然!気まずくありません。
一方で映画ほど会話NGというわけではないので、話したい時には話せるのも良いところ。
話が続くか不安、まだあまり話すことがない、という段階のカップルであっても安心!
気候の影響を受けない
美術館の中は、1年を通して温度・湿度が一定に保たれています。
作品の安全・管理のため!
真冬・真夏でも快適に過ごしやすく、雨天でも気にせずデートを楽しむことができます。
気軽に歩き回れる
音楽鑑賞や演劇鑑賞など他の芸術鑑賞と比べて、時間の自由度が高いです。
自分のペースで好きなように回ることができるので時間の調整もしやすく、デートのテンポが悪くなることもありません。
次の予定に合わせて早く切り上げることも可能◎
距離感を調整しやすい
横に並びながら適度な距離感で会話を楽しめるのも、美術館デートの特徴のひとつです。
また、作品を見ることが目的なので、ごく自然に離れたり近づいたりできます。
正面で向かい合って話すことがほとんどないので、飛沫が気になりません。
デートにおすすめの美術館(エリア解説)
東京駅エリア・六本木エリアが定番
美術館デートなら、東京駅エリアか六本木麻布エリアがオススメです。
美術館=上野のイメージがあるかもしれませんが、上野はとにかく大型展+混雑、休日昼間はまわりの飲食店も大混雑します。
東京駅周辺エリアの特徴
オシャレで大人な美術館デートをしたい場合は、東京駅周辺がオススメ。
美術館や街もシック、皇居外苑や日比谷公園などにも徒歩で行けて落ち着いた雰囲気を楽しめます。
日比谷ミッドタウンにも簡単に出られてデートコースとして優秀
東京駅エリアには、東京ステーションギャラリー、三菱一号館美術館、出光美術館、静嘉堂文庫美術館、アーティゾン美術館など有名美術館があります。
いずれも建物がシックでお洒落、雰囲気が良いのが特徴。
六本木駅周辺エリアの特徴
また、六本木エリアもオススメです。
大きな美術館が多く、ミッドタウンやヒルズなど通常の王道デートスポットも点在しています。
六本木駅から南青山方面に向かえば高級レストランも多数あるので、デートプランも立てやすいですね。
六本木周辺には、国立新美術館、サントリー美術館、森美術館、森アーツセンターギャラリーなど、少し足を伸ばせば根津美術館もあります。
タイミングによってはかなり混雑する可能性あり。疲れた時にどうするかは考えておいた方が無難。
デートにおすすめな都内美術館5選
ムード重視ロマンチックデート向け森アーツセンターギャラリー
施設名 | 森アーツセンターギャラリー |
公式HP | こちら |
基本ジャンル | 大規模美術館展〜アニメ・漫画関連や映画関連など大衆文化系の展覧会まで幅広い。 |
おすすめポイント | 有名美術館展から大衆文化関連まで幅広く、失敗しにくい。プラス料金で屋内&屋外展望台に出られ、東京を一望できる。アクセス抜群。 |
アクセス | 六本木ヒルズ森タワー52階。日比谷線六本木駅直通。 |
森アーツセンターギャラリーは、六本木ヒルズ森タワー52階にある美術館です。
ポップカルチャー関連の展示や海外有名美術館展など、初心者でもとっつきやすい企画が多いのが特徴と言えます。
展覧会の幅が広いので、共通して興味がある展覧会が見つかりやすいです
一方で53階にある森美術館は先進的な現代アート系を取り扱うことが多く、内容は中級〜上級者向けのように思います。
普段美術館に行かないという人は、まずは森アーツセンターギャラリーを観覧してみることをオススメします。
また、森アーツセンターギャラリーと一緒に楽しめる施設として、
- 森美術館(53階)
- 東京シティービュー(52階、屋内展望台)
- スカイデッキ(六本木ヒルズ森タワー屋上展望台)
があります。全て別料金なので、事前に調べ興味があるものをピックアップし、チケットを購入しておくと◎。
展望台は夜遅くまでオープンしていたり、スカイデッキでは日を選べば天体観測会にも参加できます(六本木天文クラブ)。
とにかく盛りだくさん、初めて行く人にはやや複雑ですが内容はとてもカップル向けでオススメです。
東京タワーがベストな位置で見られます。都内屈指!
土日はチケット売り場が大混雑します。売り切れの可能性もあるので、チケットは事前に予約しておくのをオススメいたします。
写真OK!リニューアルオープンの近代美アーティゾン美術館
施設名 | アーティゾン美術館 |
公式HP | こちら |
基本ジャンル | 古美術から日本近代洋画、印象派、20世紀美術、現代美術まで幅広いジャンル |
おすすめポイント | 基本的に写真撮影可。夜間開館あり。学生無料(予約は必須) |
アクセス | 東京駅から徒歩5分 |
ブリヂストン美術館が2020年1月にアーティゾン美術館としてリニューアルオープン!
再出発した美術館内はモダンで洗練された雰囲気です。
アーティゾン美術館の建築のひとつが吹き抜け!
メインロビーには大きな窓から光が降り注ぎ、とても開放的です。
日本国内の美術館では珍しく、展示作品のほぼ全てが撮影OK!思い出を持ち帰ることができます。
また、中学生以下はもちろん、高校生・専門学校生・大学生は無料で入館できるのが魅力。※高校生場は入館時間を予約する必要あり
無料貸出の音声ガイドは自分のスマホで聴くことができるなど、鑑賞のサポートも充実しています。
施設全体に最先端のIT技術を取り入れており、来館者なら誰でもアクセスできるのも◎
作品に関する情報へ感覚的にアクセスしやすく、幅広く様々な方が気軽に楽しむことができます。
また、モダンで洗練されたカフェやショップもオススメ。自館の所蔵作品関連のグッズも充実しているます
うねる建築と話題性ある展覧会が魅力国立新美術館
施設名 | 国立新美術館 |
公式HP | こちら |
基本ジャンル | 所蔵作品を持たないため、かなり多岐に渡る |
おすすめポイント | 複数展覧会が同時開催している。話題性がある公募展が多く会話が生まれやすい。 |
アクセス | 東京メトロ千代田線乃木坂駅直結、六本木駅徒歩5分 |
所蔵品を持たない国立新美術館では、ジャンルを問わない自由な志向の企画展が行われています。国内屈指の広さを誇る展示室を利用し複数の展覧会を同時開催しているので、いつ訪れても興味がある展覧会を見つけやすいです。※なんと、10を超える展覧会が同時並行で開催可能!
また、頻繁に開催されている公募展は、有名作品展とはまた異なった面白さを発見できます。普段目にしない作品や、今まさに生まれんとする美術の潮流を感じることができるので、パートナーとの会話も弾むはず!
国立新美術館は建築もみどころ。波のようにうねる「ガラスカーテンウォール」が優雅な曲線を描いています。全面がガラスになっていて、太陽光と周りの緑が美術館内部に注ぐ開放的な吹き抜けになっています。
シックな大人デート向け三菱一号館美術館
設備入替および建物メンテナンスのため、2023年4月10日から2024年秋まで全館長期休館となります。
施設名 | 三菱一号館美術館 |
公式HP | こちら |
基本ジャンル | 19世紀後半から20世紀前半の近代美術 |
おすすめポイント | カフェがイチオシ。周辺状況も充実。 |
アクセス | 東京駅から徒歩5分。こちらの案内が非常に親切でわかりやすい。 |
三菱一号館美術館は、三菱地所が運営する19世紀西洋美術中心の美術館です。
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック、オディロン・ルドン、フェリックス・ヴァロットン作品等を収蔵していて、企画展はハイクオリティかつ大規模。事前予約していても、混雑は覚悟する必要があります。
赤煉瓦のシックな建物は、近代日本の建築界を牽引したジョサイア・コンドル設計の「三菱一号館」を復元したものです。
また、三菱一号館美術館に行ったらぜひ訪れてほしいのがミュージアムカフェ「Cafe1894」。
クラシッなで雰囲気たっぷりで、優雅なひとときを過ごせます。
時期によっては展覧会タイアップメニューやアフタヌーンティーセットも出ているので、ぜひお試しあれ。
皇居外苑へは徒歩5分、日比谷公園へは徒歩10分で移動できるので、昼間であれば美術館鑑賞後に緑の中でくつろげて最高です。ミッドタウン日比谷にも歩いて行けます(徒歩12分)から、夜はそちらに移動しても楽しめます。
レトロも最新も、写真作品が好きなら間違いナシ東京都写真美術館
施設名 | 東京都写真美術館 |
公式HP | こちら |
基本ジャンル | 黎明期〜現代作家まで幅広い写真・映像表現 |
おすすめポイント | 「今」ならではのテーマも多く会話が弾みやすい。ガーデンプレイス内でデートに組み込みやすい。 |
アクセス | 恵比寿ガーデンプレイス内(JR「恵比寿駅」東口より徒歩7分、東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」より徒歩10分) |
東京都写真美術館は、日本で初めての写真と映像に関する総合的な美術館として開館しました。
写真が誕生した頃から今現在に至るまで、また国内外様々な写真を扱う展覧会が開催されています。時勢を反映したテーマも多いので、パートナーとの会話も弾むはず。
1つ1つの展覧会はコンパクトな傾向があるので、ガーデンプレイスのデートに気軽に組み込めそうなのも◎
恵比寿駅からのアクセスも良く、迷う心配もありません。
【知っておくと安心】美術館周りのポイント
「初めて美術館に行く」「久々すぎて美術館ってどんなだっけ...?」という方に向けて、美術館の基本的な流れを説明します。不安がある方は目を通して見てください。
※美術館によって多少事情が変わります。
服装や基本マナーについては以下の記事で事前チェックを!
美術館入口
入口に傘置き場があればそこで預けましょう。傘は展示室には持ち込めません。
チケット売り場、受付
該当チケットを購入します。常設展(美術館が持っている作品をローテーションで展示しているもの)と企画展(街中でポスターなど見かけるのは大抵こっち。他館から作品を借りている場合が多い)など複数あり、常設+企画のチケットもあったりするので間違いには気をつけて。
展示室入口
展示室の入り口にはわかりやすいよう該当の展覧会の大きな垂れ幕などが掲げられています。
会場入り口では、作品リスト(適宜えんぴつ貸出)やオーディオガイドなどを貸出していることがあります。
オーディオガイドがある場合はチケット購入受付ではなく、展覧会会場入口で渡されるのが一般的です。
うっかり受け取り忘れてしまい、やっぱり作品リストが欲しい...と思ったら展示室内に立っている看視員に声をかけましょう。余分に持っている場合が多いです。
展示室内
※鑑賞マナーについてはこちらの記事を確認ください。
作品前の床にひかれた線、展示ガラスケース隅の「手を触れないでください」表示などがあることが多いので注意しましょう。わかっていても、作品に夢中になっているとついつい近づきすぎてしまうもの。
展示室内にいるスタッフは看視員と言います。(学芸員ではありません)
作品へのお手触れがないか、展示室内で異常が起きていないかを確認する、美術館には欠かせないスタッフです。
作品に関する疑問や体調不良などのトラブルがあれば、まず看視員に声をかけましょう。
展示室出口
オーディオガイドを借りている場合は会場出口で返却しましょう。
スタッフが立っている場合、回収BOXなどが設置されている場合があります。
大型展だと、出口と繋がった臨時ショップがあることも多いです。
チケットを購入した人しか入れない場合もあるので、後で見ようと思って出口から出てしまわないように要注意。
再入場できるかショップ内のスタッフに事前確認しておくと安心です。
美術館デートで失敗しないために
チケットの確認
美術館に行ってからチケットを買えばいいや、と思っていると危ないかも。
事前予約制の展覧会や、時間指定の展覧会もあるので、お目当ての展覧会のチケット情報は必ずチェックしておきましょう。
特に最近では感染症予防のために時間予約制をとっている美術館も多いです。人気の展覧会は売り切れてしまうこともあるので、お目当ての展覧会の情報が遅くても1ヶ月前からチェックしておくと◎
また、必須ではなくても当日券は購入に時間がかかる場合もあるので、可能であれば事前購入しておいた方が安心です。展覧会によっては早割や特典がつく場合もあります。
当日美術館に行ったのに入れない...なんてことにならないよう気をつけましょう。
ロッカーやクローク、靴の確認
美術館デートは、静かでまったりしたデートに思えて、かなり歩きます。お互い疲れ切って、デートを楽しむ余裕がなくなってしまうかもしれません。
数時間立ちっぱなしになってしまう可能性もあるので、美術館に荷物を預けられるかどうか事前に調べておくと良いです。
場合によってはロッカーが埋まっていたりするので、そもそもできる限り身軽な格好と疲れにくい靴を選んでおくと安心◎
展覧会の前後のプランも考えておく
「東京駅エリア・六本木エリアが定番」でも触れたように、周りに飲食店が多く他のデートスポットがかたまっている場所を選べば、選択肢に困ることもありません。
美術館デートあとは思った以上に疲れている可能性が高いので、徒歩数分圏内で済ませられるようにしておくとスムーズでしょう。
美術館デートに行く前に
本記事では、デートで楽しめる美術館をピックアップしてみました。
カップルが楽しめるスポット重視で選んでみたので、ややポップなメンツに(?)
近くにデートスポットがかたまっている美術館を選ぶと、スムーズに移動できて良さそうですね。
美術館!と気張らず、他のデートのついでに立ち寄る感覚で覗いていただきたいと思います!
*美術館の楽しみ方、最低限のマナーや適した服装については、以下の記事で紹介しています。
ぜひこちらもチェックして、美術館デートを最大限楽しんでください♪